シンガポールMRT・公共交通完全ガイド
路線・支払い・運賃・ツーリストパス・空港移動まで、これ一本で乗りこなす
| 決済の正解 | SimplyGo(お手持ちの非接触カードかスマホをそのままタッチ) |
|---|---|
| MRT路線数 | 6路線。2026年後半にTEL東部延伸が開通予定 |
| 運賃の目安 | 1回 約S$1.19〜2.50。島を横断してもS$3未満のことが多い |
| 運行時間 | おおむね5:30頃〜24:00頃 |
| 紙の切符 | 2022年に廃止。非接触かEZ-Linkかパスで乗車 |
| ツーリストパス | 1日 約S$17、2日 約S$24、3日 約S$29 |
| 空港から市内 | MRTで約30〜45分、約S$2 |
| 便利なアプリ | Google Maps、Citymapper、MyTransport.SG |
1. シンガポール移動の全体像
2. MRT6路線を完全整理
3. 支払い:何で乗るか
4. 運賃と節約のコツ
5. ツーリストパスは元が取れるか
6. チャンギ空港から市内へ
7. バス・タクシー・Grab
8. セントーサへの行き方
9. 人気ルートと所要時間
10. 運行時間と混雑する時間帯
11. MRTのマナーとルール
12. アクセシビリティ・家族連れ・荷物
13. ナビアプリ
14. 島の外へ:ジョホールバル・フェリー
15. よくある失敗を避ける
16. まとめと周辺ガイド
シンガポールの移動は、非接触決済のクレジットカードかスマホを1枚用意すれば、ほぼ完結します。改札やバスの読み取り機にタッチするだけで距離に応じた運賃が自動で引き落とされ、切符を買う手間もチャージも保証金もいりません。国土は東西でおよそ50kmと小さく、MRT(都市鉄道)とバスが島のすみずみまで張りめぐらされているため、多くの目的地へ20〜40分で着きます。英語の案内表示がどこにでもあり、初めてでも迷いにくいのが強みです。全体の旅づくりはシンガポール完全ガイドとあわせて読むと、移動と観光がつながります。

1. シンガポール移動の全体像
小さな島に世界最高水準の公共交通が詰まっているので、非接触カード1枚あれば観光のほとんどはMRTとバスで回れます。
シンガポールは東西でおよそ50kmと、東京23区より少し大きい程度の広さです。そのなかにMRT・LRT・バスが密に走り、主要な観光地の多くへ20〜40分で到着します。
案内表示や駅名はすべて英語なので、日本からの旅行者でも迷いにくいのが特徴です。そして今は、専用の交通カードを買わなくても、手持ちの非接触カードやスマホがそのまま乗車券になる「SimplyGoの時代」です。
2. MRT6路線を完全整理
MRTは6路線あり、路線ごとに色と番号(例:NSL=赤)が決まっているので、色を覚えれば乗り換えも簡単です。
| 路線 | 色 | 主要駅 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 南北線 NSL | 赤 | オーチャード、マリーナベイ | ショッピングと中心部の縦移動 |
| 東西線 EWL | 緑 | タナメラ、チャンギ空港支線 | 空港アクセスと東西の横移動 |
| 北東線 NEL | 紫 | チャイナタウン、リトルインディア | 下町エリアの観光 |
| 環状線 CCL | 黄/橙 | ハーバーフロント、ボタニックガーデン | 中心部の外周を結ぶ乗り換え線 |
| ダウンタウン線 DTL | 青 | ベイフロント、ブギス | ベイエリアと中心部 |
| トムソン・イーストコースト線 TEL | 茶 | オーチャード、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ地図 | 南北の新しい大動脈 |
乗り換えのハブとしては、複数路線が交わるドビーゴート(Dhoby Ghaut)地図が代表的です。西の郊外拠点であるジュロン・イースト(Jurong East)地図も乗り換えでよく使います。

3. 支払い:何で乗るか
ほとんどの旅行者にとっての正解は、非接触カードかスマホをそのまま使うSimplyGoです。カードを買う必要もチャージも保証金もいりません。
| 支払い方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| SimplyGo(非接触) | 手持ちのVisa・Mastercard・Amexやスマホをタッチ。距離に応じ自動精算 | ほぼ全員。最も手軽 |
| EZ-Link/NETSカード | 実物のチャージ式。カード代 約S$5(返金不可)+チャージ額 | 非接触カードがない人、記念に残したい人 |
| ツーリストパス | MRT・LRT・通常バスが乗り放題の定額パス | 1日にたくさん乗る人 |
| 現金 | MRTは不可。バスは釣り銭なしの正確な運賃のみ | 基本的に非推奨 |
かつて使えた紙のスタンダードチケットは2022年に廃止されました。今は非接触決済、EZ-Link、ツーリストパスのいずれかで乗車します。
4. 運賃と節約のコツ
運賃は距離に比例し、大人1回 約S$1.19〜2.50。乗り換えのルールさえ守れば、余計な出費はほとんどありません。
島を横断するような長い移動でも、多くはS$3未満で収まります。MRTは現金では乗れず、バスは現金だと釣り銭が出ない正確な金額が必要なので、非接触決済の方がはるかに楽です。
乗り換えのタグアウト・ルール
ひとつの移動とみなされる乗り継ぎなら、運賃で損をしません。降車でタグアウトしてから約45分以内に次の便へタグインすれば(同じ路線の往復でなければ)、MRTとバスをまたいでも一続きの運賃として計算されます。
さらに費用を抑えたい方は、予算とコスパの記事で交通費を含めた節約術を確認してみてください。
5. ツーリストパスは元が取れるか
1日に4回以上乗るならツーリストパスがお得、それより少なければ非接触決済の方が安く済むことが多いです。
シンガポール・ツーリストパス(STP)は特別なEZ-Linkカードで、MRT・LRT・通常の路線バスが乗り放題になります。料金の目安は1日 約S$17、2日 約S$24、3日 約S$29で、販売店によっては4日 約S$37、5日 約S$45もあります。
ただし対象外があります。セントーサ・エクスプレス、RWS8、エクスプレス/プレミアムバス、ナイトライダー(深夜バス)には使えません。使い終わったら通常のEZ-Linkカードとして引き続きチャージして使えます。購入はChangi Airport地図、MRT駅のSimplyGoサービスカウンター、オンライン(Klookなど)で可能です。
なお、これはあくまで交通用のパスです。観光施設の入場をまとめた名所パスをお探しなら、観光パス比較の記事を参照してください。

6. チャンギ空港から市内へ
いちばん安いのはMRTで、Changi Airportの空港駅から約30〜45分・約S$2で市内に着きます。急ぎや深夜はタクシーかGrabが便利です。
- 空港駅へターミナル2と3の地下にあるチャンギ空港MRT駅(EWL・緑の支線)へ向かいます。
- タナメラで乗り換え2駅目のTanah Merah地図で降り、同じホームの向かい側に停まる市内方面(本線)の電車へ乗り換えます。
- 市内中心部へそのままシティホール、ブギス、ラッフルズ・プレイスなどへ。改札を出るときのタグアウトも忘れずに。
時間や荷物を優先するなら、タクシーやGrabで20〜30分・約S$25〜40(深夜0時〜6時は割増)。料金が事前に確定するプライベート送迎や、ホテルの送迎バスという選択肢もあります。
市内へ出発する前に、空港内のJewelにある無料の屋内滝レイン・ボルテックス地図を眺めるのもおすすめです。ターミナルやラウンジ、乗り継ぎなど空港の詳しい情報はチャンギ空港ガイドにまとめています。
7. バス・タクシー・Grab
バスはMRTと同じ非接触決済・同じ運賃体系で、路線網が広く車窓の景色も楽しめます。深夜や荷物が多いときはGrabやタクシーが頼りになります。
バスは支払い方法も運賃計算もMRTと共通なので、迷ったらそのままタッチすれば大丈夫です。現金でも乗れますが、釣り銭が出ないため正確な金額が必要で、非接触の方が断然スムーズです。
Grab・タクシー
Grabは配車のスーパーアプリで、料金がアプリ上で確定するキャッシュレス方式です。深夜、大きな荷物、複数人での移動、鉄道が届かない場所(マンダイの動物園エリアなど)へ行くときに特に便利です。ほかにGojek、TADA、ComfortDelGroのタクシーアプリもあります。
街なかのタクシーはメーター制で明朗会計、チップも不要です。ただしピーク時・深夜・空港発着・CBD(中心業務地区)などでは割増がつくことがあります。

8. セントーサへの行き方
セントーサへはMRTでHarbourFront地図まで行き、直結のVivoCity地図からモノレールか無料の歩道橋、またはケーブルカーで渡ります。
ハーバーフロント駅を出るとすぐに大型モールのVivoCityがあり、そこがSentosa地図への玄関口です。渡り方は主に3つあります。
| 渡り方 | 料金の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| セントーサ・エクスプレス(モノレール) | 約S$4台 | いちばん手軽で速い |
| セントーサ・ボードウォーク | 無料 | 屋根付きの歩道でのんびり歩ける |
| ケーブルカー | やや高め | 眺望が抜群 |
島の中ではセントーサ・エクスプレス、島内バス、ビーチトラムがすべて無料で利用できます。なお、ツーリストパスはセントーサ・エクスプレスには使えない点に注意してください。島での遊び方はセントーサ島ガイドで詳しく紹介しています。
9. 人気ルートと所要時間
主要な観光地どうしはおおむね10〜45分でつながっていて、乗り換えを含めても半日で複数のスポットを回れます。
| 区間 | 目安時間 | メモ |
|---|---|---|
| チャンギ空港 → 市内中心部 | 約30〜45分 | タナメラで乗り換え |
| オーチャード → マリーナベイ | 約15〜20分 | NSL(赤)で直通 |
| 市内中心部 → ハーバーフロント(セントーサ方面) | 約15〜25分 | NELまたはCCL |
| 市内中心部 → ジュロン・イースト | 約25〜35分 | 西部の乗り換え拠点 |
| ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ最寄り → チャイナタウン | 約10〜15分 | 下町散策と組み合わせやすい |
マリーナベイ周辺は見どころが密集しているため、マリーナベイ・サンズ地図とガーデンズ・バイ・ザ・ベイは徒歩でも行き来できます。

10. 運行時間と混雑する時間帯
MRTはおおむね朝5:30頃から24:00頃まで運行し、通勤ラッシュの時間帯は特に混みます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 始発 | 約5:25〜5:35(終着駅の発車) |
| 終電 | 約23:30〜24:00(終着駅の発車) |
| ピーク時の間隔 | 2〜5分 |
| オフピークの間隔 | 5〜7分 |
朝は7時半〜9時半、夕方は17時半〜19時半あたりが混雑のピークです。始発・終電の時刻は駅によって前後するので、遅い時間に移動するときはアプリで最終便を確認しておくと安心です。
11. MRTのマナーとルール
車内と駅では飲食が禁止で、罰金も高額なので、水を飲むのも降りてからにしましょう。
MRTの車内・駅構内では水を含めて飲食が禁止で、違反すると最大S$500の罰金があります。喫煙は最大S$1,000、ドリアンの持ち込みや引火物の持ち込みも禁止です。
気持ちよく乗るために
- エスカレーターは左側に立ち、右側は歩く人のためにあけます。
- 降りる人が先です。乗るときはドアの脇で待ちましょう。
- 乗ったら車両の中央へ移動し、入口をふさがないようにします。
- 降車時のタグアウトを忘れずに。忘れると最高運賃になります。

12. アクセシビリティ・家族連れ・荷物
全駅がバリアフリーなので、ベビーカーや車いす、大きなスーツケースでも移動がしやすいです。
すべての駅にエレベーターや点字ブロック、ホームドアが備わり、ベビーカーや車いすのためのスペース、優先席、授乳室も整っています。車内は全線で冷房が効いているため、暑い屋外との行き来でも快適です。
13. ナビアプリ
Google MapsかCitymapperがあれば、経路・所要時間・運賃・乗り換えまで分かり、迷わず移動できます。
- Google Maps:定番。経路検索と徒歩案内に強い。
- Citymapper:出口や乗り換えの案内が細かく、都市移動に特化。
- MyTransport.SG:LTA(陸上交通庁)の公式アプリ。運行情報に強い。
- SimplyGoアプリ:利用履歴や運賃の確認に便利。
- Grab:配車と料金確定に。
これらのアプリを快適に使うには、現地で使えるデータ回線が欠かせません。
14. 島の外へ:ジョホールバル・フェリー
マレーシアのジョホールバルや近隣の島々へも、鉄道・バス・フェリーで日帰り圏内です。
2026年末の開通を目指しているのがRTS Link(旅客は2027年初め)で、Woodlands地図 NorthとジョホールバルのBukit Chagarを約5分で結びます。国境越えが一気に楽になる注目の路線です。現在はWoodlands経由のコーズウェイ・バスで陸路を渡れます。
海を渡る選択肢
- バタム島・ビンタン島:フェリーターミナルからインドネシアのリゾート島へ。
- プラウ・ウビン:昔ながらの島の風景が残る、自然派の日帰り先。
- 南部の島々:セントーサ沖の小島へフェリーでアクセスできます。

15. よくある失敗を避ける
ありがちな失敗はタグアウト忘れとツーリストパスの買い間違い。この2つを避ければ運賃で損をしません。
- 降車時のタグアウト忘れ:最高運賃を取られます。乗降どちらもタッチを。
- ツーリストパスの買い間違い:あまり乗らないのに買うと割高です。1日4回未満なら非接触決済が有利。
- 車内・駅での飲食:水でも罰金対象です。飲むのは改札の外で。
- セントーサ・エクスプレスにパスを使おうとする:STPの対象外です。別途支払いが必要。
- 終電を逃す:24時前後に運行終了。遅い時間はアプリで最終便を確認しましょう。
16. まとめと周辺ガイド
非接触カードを1枚用意し、降りるときのタグアウトを守る。この2点さえ押さえれば、シンガポールの移動はもう安心です。
| 出発前・現地でのチェック | ポイント |
|---|---|
| 決済手段 | 非接触カードかスマホを準備(なければEZ-Link) |
| ナビアプリ | Google MapsかCitymapperを入れておく |
| データ回線 | eSIMなどで到着後すぐ使えるように |
| タグアウト | 降車時のタッチを忘れない |
| 終電 | 24時前後、遅い夜はアプリで確認 |
移動の準備ができたら、次は目的地です。拠点選びはエリア別の宿泊ガイド、名所はガーデンズ・バイ・ザ・ベイやマリーナベイ・サンズ、食事はホーカーセンター入門が便利です。日程づくりはおすすめモデルコース、旅の時期選びはベストシーズンを、全体像はシンガポール完全ガイドでどうぞ。