シンガポール入国ガイド:ビザ・SGアライバルカード・税関の全手順
日本のパスポートならビザは不要ですが、SGアライバルカードの提出は別途必要です。滞在日数の決まり方、入国審査で聞かれること、税関の免税枠、持ち込みが禁止されているものまで、出発前に一度で確認できるようにまとめました。
| 日本のパスポート | 査証免除。観光・商用の短期訪問で事前のビザ申請は不要 |
|---|---|
| 通常の滞在許可 | 30日。日本の外務省の資料では入国時に14〜30日の滞在許可 |
| 日数を決めるのは | 入国審査官。許可日数はe-Passに記載されて届く |
| パスポート残存 | 6か月以上(シンガポール旅券保持者を除く全員) |
| SGアライバルカード | 全員提出。費用は無料。到着日を含む3日以内に提出 |
| 公式の提出先 | ICAのe-ServiceとMyICAアプリの2つだけ |
| 入国スタンプ | なし。2022年3月11日から電子のe-Passをメールで受け取る |
| 電子タバコ | 所持・使用・購入だけで違法。最高S$10,000の罰金 |
1. 結論から:日本のパスポートで必要なものは3つ
2. 自分のパスポートにビザは必要か
3. 無ビザで何日いられるのか
4. SGアライバルカードとは何か、誰が提出するのか
5. SGアライバルカードの提出手順
6. SGアライバルカードで実際によくある失敗
7. 入国審査で実際に確認されること
8. チャンギ空港に着いてからの実際の流れ
9. 税関:お酒はどこまで、たばこはなぜ駄目なのか
10. 絶対に持ち込んではいけないもの
11. 薬を持って行くとき
12. 現金がS$20,000を超えるときの申告
13. 黄熱病の予防接種証明書が必要になる人
14. 陸路と海路で入るときの違い
15. 入国せずに乗り継ぐだけの場合
16. 滞在の延長と超過滞在
17. 入国直後の最初の30分ですること
18. 出発前の最終チェックリストと、次に読む記事
日本のパスポートで観光目的にシンガポールへ行くなら、ビザは要りません。ただし出発前にやることが2つ残ります。パスポートの残存有効期間が6か月以上あるかの確認と、SGアライバルカードの提出です。 ビザが免除されていても申告が免除されるわけではない、というのがシンガポール入国でいちばん誤解されやすい点です。加えて、無ビザで何日滞在できるかは事前に確定しません。日本旅券の通常の滞在許可は30日ですが、実際の日数を決めるのは入国審査官で、その結果は入国スタンプではなく電子の入国許可(e-Pass)としてメールで届きます。この記事では、必要書類、SGアライバルカードの出し方、入国審査、税関、持ち込み禁止品、陸路・海路、乗り継ぎだけの場合まで順番に整理します。旅行全体の組み立てはシンガポール旅行完全ガイドもあわせてどうぞ。

1. 結論から:日本のパスポートで必要なものは3つ
日本のパスポートでシンガポールに入国するのに要るものは、残存有効期間が6か月以上あるパスポート、提出済みのSGアライバルカード、そして出国用の航空券と滞在費と宿泊先という3つの証明です。ビザは要りません。
この3つのうち、旅行者が見落とすのは2つ目です。ビザが免除されているのだから手続きは何もない、と考えてしまい、SGアライバルカードの存在に気づかないまま出発してしまうケースが多くあります。ビザの免除と申告の免除は別の話で、シンガポールに入るすべての旅行者に提出義務があります。しかも提出は無料で、5分から10分あれば終わります。
3つ目の証明は、書類として毎回すべてを提示するというより、求められたときに出せる状態にしておくという意味合いです。実際に全部を見せずに通過することのほうが多いのですが、出せなかったときのリスクが大きいので、スマートフォンの中で探し回らずに済むよう1つのフォルダにまとめておくと落ち着いて対応できます。まずは持ち物と手続きを表で確認してください。
| 項目 | 内容 | いつ準備するか |
|---|---|---|
| パスポート | 残存有効期間6か月以上。シンガポール旅券保持者を除く全員が対象 | 航空券を取る前 |
| ビザ | 日本旅券は不要。観光・商用の短期訪問は査証免除 | 手続きなし |
| SGアライバルカード | 全員提出。無料。到着日を含む3日以内 | 到着の2日前あたり |
| 出国用の航空券 | 出国または第三国行きの航空券・乗船券 | 予約時に確保 |
| 滞在費の証明 | 現金またはクレジットカード | 出発前 |
| 宿泊先の情報 | ホテル名と住所。SGアライバルカードにも入力する | SGアライバルカード提出前 |
| e-Pass | 入国後にメールで届く電子の入国許可。滞在可能日数の根拠 | 入国後すぐ確認 |
2. 自分のパスポートにビザは必要か
日本のパスポートなら不要です。観光・商用の短期訪問は査証免除の対象で、事前の申請はありません。ただし免除の範囲や日数は国籍ごとに異なり、40か国・地域の旅券保持者は事前にビザを取る必要があります。
日本の外務省の資料では、観光や商用で3か月以内の滞在であれば査証は免除され、入国時に14日から30日の滞在許可が与えられるとされています。つまり日本の読者にとって、出発前のビザ手続きという段階はそもそも存在しません。空港でやることは、パスポートの残存期間の確認と、SGアライバルカードの提出だけです。
一方で、同行者の国籍が違う場合は話が変わります。家族や友人と一緒に行く場合、あるいは日本在住でも日本以外の旅券で渡航する場合は、その旅券の扱いを個別に確認してください。「外国人はだいたい30日」といった一括りの説明は、そのまま当てはまらないことがあります。下の表は主な旅券の扱いです。
| パスポート | ビザ | 通常の無ビザ滞在 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 不要 | 30日 | 外務省の資料では入国時に14〜30日の滞在許可 |
| 韓国 | 不要 | 90日 | 観光・商用・親族訪問などの短期訪問 |
| アメリカ | 不要 | 90日 | |
| 中国(本土の一般旅券) | 不要 | 30日 | 2024年2月9日発効の相互査証免除協定。30日超・就労・取材は事前ビザ |
| 台湾 | 不要 | 30日 | 残存6か月以上と往復または第三国行きの航空券が必要 |
| インドネシア | 不要 | 30日 | ASEAN加盟国。観光・短期商用・親族訪問 |
| 英国・EU・豪州・カナダ・NZ | 不要 | 30日 | |
| ビザが必要な40か国・地域 | 必要 | ICAへ事前申請 | インド、ロシア、パキスタン、バングラデシュ、エジプトなど |
ビザが必要とされる40か国・地域には、アフガニスタン、アルジェリア、アルメニア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ベラルーシ、北朝鮮、エジプト、ジョージア、インド、イラン、イラク、ヨルダン、カザフスタン、コソボ、キルギス、レバノン、リビア、マリ、モルドバ、モロッコ、ナイジェリア、パキスタン、ロシア、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリア、タジキスタン、チュニジア、トルクメニスタン、ウクライナ、ウズベキスタン、イエメンなどが含まれます。完全な一覧はICAの公式ページが基準です。
また、旅券以外の渡航文書を使う場合も注意が必要です。難民旅行証明書、外国人旅券、パレスチナ旅券、UAEの臨時旅券、香港の身分証明書(Document of Identity)、マカオの旅行証(Travel Permit)、中国の旅行証(PRC Travel Document)を持つ人は、国籍にかかわらずビザが必要になります。ここは規則の変更が起きやすい部分なので、出発前にICAの公式サイトで最新の一覧を確認してください。
3. 無ビザで何日いられるのか
日本のパスポートの通常の滞在許可は30日です。ただし何日認められるかを決めるのは入国審査官で、確定した日数はe-Passに記載されて届きます。30日が保証されているわけではありません。
ここが旅程を組むうえでいちばん重要な考え方です。査証免除で認められている上限と、実際に自分に与えられる日数は同じではありません。日本の外務省の資料でも、入国時に与えられる滞在許可は14日から30日と幅を持って書かれています。したがって「無ビザ30日だから28日の旅程で問題ない」という前提で航空券を先に押さえてしまうと、想定より短い日数しか許可されなかった場合に対応できなくなります。
国籍による差も大きく、韓国やアメリカの旅券なら通常90日、日本や中国、台湾、インドネシア、英国、EU諸国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの旅券は通常30日です。同じ「無ビザ」でも中身がまったく違うので、他国の情報をそのまま自分に当てはめないでください。
| パスポート | 通常の無ビザ滞在 | 実際の日数の決まり方 |
|---|---|---|
| 日本 | 30日 | 入国審査官が判断しe-Passに記載 |
| 韓国 | 90日 | 同上 |
| アメリカ | 90日 | 同上 |
| 中国(本土の一般旅券) | 30日 | 同上。30日超は事前ビザ |
| 台湾 | 30日 | 同上 |
| インドネシア | 30日 | 同上 |
| 英国・EU・豪州・カナダ・NZ | 30日 | 同上 |
もう1つ、無ビザ入国だからこそ注意したい点があります。30日以上滞在したあとに近隣国へ短時間出て、すぐ戻ってくるパターンは、不法な滞在延長の試みと見なされる可能性があります。マレーシアやインドネシアが近いので思いつきやすい方法ですが、入国を断られるリスクを伴う行為です。滞在を延ばす必要が出たら、正規の延長申請を検討してください。
4. SGアライバルカードとは何か、誰が提出するのか
SGアライバルカードは、ICA(移民関税局)が管轄する電子の入国申告です。正式名称はSG Arrival Card with Electronic Health Declaration。提出は無料で、到着日を含む3日以内に出します。対象は原則としてすべての旅行者です。
紙の入国カードを機内で配って書かせる方式は終わっていて、いまはオンラインでの事前提出に一本化されています。ビザが免除されている日本の旅行者であっても提出義務は残るという点を、もう一度はっきりさせておきます。ビザ免除は「事前に許可を取らなくてよい」という話であって、「入国時に何も申告しなくてよい」という意味ではありません。
提出が免除されるのは2つの場合だけです。1つは、入国審査を受けずに乗り継ぎだけをする人。もう1つは、陸路の検問所から入るシンガポール国民・永住権保持者・長期ビザ保持者です。日本からの旅行者はどちらにも当てはまらないので、市内に入る予定があるなら必ず提出することになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | SG Arrival Card with Electronic Health Declaration |
| 管轄 | ICA(Immigration & Checkpoints Authority) |
| 対象 | すべての旅行者 |
| 免除される人 | 入国審査を受けずに乗り継ぎだけをする人/陸路検問所から入るシンガポール国民・永住権保持者・長期ビザ保持者 |
| 提出時期 | 到着日を含む3日以内(6月30日到着なら6月28日から提出可) |
| 費用 | 無料 |
| 公式チャネル | ICAのe-Service(SG Arrival Cardのページ)/MyICAアプリ(iOS・Android) |
| 提出後 | 申告したメールアドレスに確認メールが届く |
| 未提出の場合 | 入国を断られる可能性がある |
入力する内容は、パスポート情報、到着便と出発便(陸路・海路の場合はその便)、シンガポールでの宿泊先住所、メールアドレス、直近の渡航歴と健康申告です。健康申告が含まれているのは、正式名称に電子健康申告が入っていることからも分かります。虚偽の健康申告は感染症法(Infectious Diseases Act)上の処罰対象になるため、体調に不安があるときも正直に入力してください。提出後に健康状態が変わった場合は、Update SGACの機能で修正できます。

5. SGアライバルカードの提出手順
準備物をそろえてから始めれば、提出そのものは10分もかかりません。パスポート、フライト情報、宿泊先住所、メールアドレスの4点が手元にあれば途中で止まりません。
途中で入力が詰まる原因のほとんどは、手元に情報がないことです。特に宿泊先の住所は、予約サイトのアプリを開き直して確認することになりがちなので、先にコピーしておくと流れが途切れません。到着便と出発便の便名も同様です。以下の順で進めてください。
- 準備する。 パスポート(番号・発行国・有効期限)、到着便と出発便の便名と日付、シンガポールでの宿泊先の名称と住所、確実に受信できるメールアドレス、直近の渡航歴を手元に用意します。
- 公式チャネルを開く。 ICAのe-ServiceにあるSG Arrival Cardのページ、またはMyICAアプリを使います。検索結果に出てくる別のサイトは使いません。この2つ以外は公式ではありません。
- パスポート情報を入力する。 ローマ字表記はパスポートの表記どおりに入れます。ミドルネームや姓名の並び順も、パスポートの記載に合わせてください。
- 渡航情報を入力する。 到着便と出発便、シンガポールでの滞在先住所を入力します。複数のホテルに泊まる場合の入力方法は画面の指示に従います。同行者がいればグループ提出でまとめて入力します。
- 健康申告に回答する。 直近の渡航歴と現在の健康状態を申告します。虚偽の申告は感染症法上の処罰対象なので、該当する項目があれば正直に選びます。
- 送信して確認メールを受け取る。 提出に成功すると、入力したメールアドレスに確認メールが届きます。受信を確認できて初めて完了です。届いていなければメールアドレスの入力ミスを疑ってください。
- 体調が変わったら更新する。 提出後に健康状態が変化した場合は、Update SGACの機能で内容を修正します。
提出のタイミングは、到着日を含む3日以内という枠の中で選びます。ICAの説明では6月30日に到着する場合は6月28日から提出できるとされています。早く出しすぎると受け付けられないため、出発の1週間前に済ませておくということはできません。出発前日か、空港へ向かう朝に済ませてしまうのが現実的です。
確認メールは削除せず、機内モードでも開けるようにスクリーンショットを撮っておくと安心です。到着後に通信が使えない状態で提示を求められる場面を想定しておくと、余計な焦りが減ります。
6. SGアライバルカードで実際によくある失敗
失敗は4種類にほぼ集約されます。有料の代行サイトで払う、メールアドレスを打ち間違える、提出できる期間を勘違いする、同行者の分を出し忘れる。どれも事前に知っていれば防げます。
金額として損が出るのは1つ目です。SGアライバルカードの提出は無料だと、ICAが公式に明記しています。それでも検索結果の上位には、手数料を取って代行提出するサイトが並ぶことがあります。ICAはこうした商業サービスについて、支持も推奨もしておらず提携関係もないと公式に述べています。つまり、そこで払うお金はまるごと不要な出費です。
実害が大きいのは2つ目です。e-Passは、SGアライバルカードに入力したメールアドレスに送られます。1文字でも間違っていれば、確認メールもe-Passも届きません。滞在可能な最終日を確認する手段が手元からなくなるので、入力後に必ず読み返してください。
| よくある失敗 | 何が起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 有料の代行サイトで提出 | 本来ゼロの手数料を支払う | ICAのe-ServiceかMyICAアプリだけを使う |
| メールアドレスの打ち間違い | 確認メールもe-Passも届かない | 送信前に読み返す。届かなければ再確認 |
| 提出時期の勘違い | 早すぎて受け付けられない | 到着日を含む3日以内。到着の2日前から |
| 同行者の分の出し忘れ | 未提出の人が入国を断られる可能性 | グループ提出でまとめる。人数を数えて確認 |
| 健康申告を適当に選ぶ | 感染症法上の処罰対象になり得る | 該当があれば正直に。変化したらUpdate SGAC |
| 確認メールを保存していない | 提示を求められたときに出せない | スクリーンショットを撮っておく |
もう1つ、提出そのものを知らずに空港へ向かってしまうケースもあります。未提出だと入国を断られる可能性があるため、これは失敗の中でも影響が最も大きいものです。同行者に高齢の家族がいる場合や、旅慣れた人ほど「前は紙で書いた」という記憶で動きがちなので、出発前に全員分の確認メールが揃っているかを1人が取りまとめて見るようにしてください。
7. 入国審査で実際に確認されること
確認されるのは、いつ出国するのか、どこに泊まるのか、滞在費をどう賄うのか、何をしに来たのかの4点です。ビザが免除されていても、これらを示せなければ入国を断られる可能性があります。
無ビザ入国は「審査がない」という意味ではありません。事前のビザ申請という段階を省略している分、判断は到着時に行われます。在シンガポール大韓民国大使館の案内でも、入国審査官の質問に明確に答えられない場合や、出国用の航空券・宿泊先・資金・訪問目的を示せない場合には入国を断られる可能性があると説明されています。これは国籍を問わない実務上の共通事項です。
実際には、パスポートを渡して数十秒で終わることがほとんどです。ただ、聞かれたときに答えられない状態で行くのと、答えを用意して行くのとでは、その数十秒の緊張感がまったく違います。下の表の右側を出発前に埋めておくだけで十分です。
| 確認される点 | 用意しておくもの | 準備の形 |
|---|---|---|
| いつ出国するか | 出国用または第三国行きの航空券・乗船券 | 予約確認書。オフラインでも開ける形で |
| どこに泊まるか | 宿泊先の名称と住所 | SGアライバルカードに入力したものと一致させる |
| 滞在費をどう賄うか | 現金またはクレジットカード | 提示を求められたときに出せる状態 |
| 何をしに来たか | 訪問目的を一言で言えること | 観光、商用、親族訪問など |
| 申告は済んでいるか | SGアライバルカードの確認メール | スクリーンショット |
宿泊先については、SGアライバルカードに入力した住所と、口頭で答える内容がずれないようにしてください。友人宅に泊まる、途中で宿を移る、といった事情があるなら、その説明ができるようにしておきます。滞在先が決まっていないという答えは、資金や出国予定と組み合わさったときに印象がよくありません。滞在先の選び方はシンガポールの宿泊エリアガイドで整理しています。
もう1つ、無ビザ入国に特有の注意点があります。長期間滞在したあと近隣国へ短時間出てすぐ再入国するパターンは、不法な滞在延長の試みとして疑われることがあります。過去の出入国の記録は残っているので、繰り返すほど質問が増えると考えておくのが自然です。
宿泊先の予約確認書は、入国審査だけでなく到着後の移動でも使います。滞在先がまだ決まっていない場合や予約内容を見直したい場合は、下で最新の料金と空室状況を確認できます。

8. チャンギ空港に着いてからの実際の流れ
チャンギ空港では2024年9月30日から4つのターミナル全てでパスポート不要の通関が本格運用されています。ただし外国人訪問者は、到着時にはパスポートの提示が必要です。そこで生体情報が登録され、出国時は自動ゲートを通過できるようになります。
ICAが進めているのはNew Clearance Concept(NCC)という枠組みで、虹彩・顔・指紋を使う多重生体認証システム(MMBS)が組み合わされています。効果は数字にも出ていて、審査の平均所要時間は25秒から10秒へ、およそ60%短縮されました。2025年の1年間で約1億2,700万人がパスポートを提示せずに通関しており、前年比で270.2%の増加です。
ここで誤解しやすいのは、「パスポート不要」が到着時の外国人にも当てはまると思ってしまうことです。初めてシンガポールに入る旅行者は、到着時にパスポートを提示して生体情報を登録する必要があります。その登録が済んで初めて、帰りの出国でパスポートを出さずにゲートを通れるようになります。到着時はパスポートを手元に、と覚えておけば間違いありません。
| 順番 | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 到着後、入国審査へ進む | パスポートを手元に。SGアライバルカードは提出済みで |
| 2 | 審査・生体情報の登録 | 外国人訪問者は到着時にパスポート提示が必要 |
| 3 | 入国スタンプは押されない | 2022年3月11日から電子のe-Passに切り替え |
| 4 | e-Passをメールで受け取る | D/E番号・許可日数・最終滞在日を確認 |
| 5 | 手荷物を受け取る | ターミナルによって受取場所が異なる |
| 6 | 税関の通路を選ぶ | 申告するものがあれば赤、なければ緑 |
| 7 | 市内へ移動する | MRT、タクシー、配車、空港送迎から選ぶ |
e-Passは到着後にメールで届きます。手荷物を待っている間に受信を確認し、許可された滞在日数と最終滞在日を見ておくのが効率的です。ここで届いていないことに気づけば、まだ空港にいるうちに対処できます。ターミナルの構造や施設についてはチャンギ空港ガイドに、市内までの移動手段の比較はシンガポールの交通ガイドにまとめています。
到着が深夜になる場合は、審査を通過してから市内に着くまでの時間も計算に入れておいてください。荷物の受け取りと税関を抜けるまでに時間がかかることがあり、公共交通の終電に間に合わないこともあります。
空港から宿泊先までの送迎を先に押さえておきたい場合は、下で最新の料金と手配内容を確認できます。
9. 税関:お酒はどこまで、たばこはなぜ駄目なのか
お酒は条件を全部満たしたときに限り、決められた5つの組み合わせから1つだけ免税で持ち込めます。たばこには免税枠そのものがありません。1箱でも申告して納税します。
お酒の免税は、条件が意外に厳しい点に気をつけてください。18歳以上であること、到着直前にシンガポール国外に48時間以上滞在していたこと、マレーシアから入国するのではないこと、個人消費用であること、持ち込みが禁止された酒類でないこと。この5つを全部満たして初めて、下の5つの組み合わせから1つを選べます。組み合わせは1つだけで、複数を足し合わせることはできません。
| 選択肢 | 組み合わせ |
|---|---|
| A | 蒸留酒1L + ワイン1L |
| B | 蒸留酒1L + ビール1L |
| C | ワイン1L + ビール1L |
| D | ワイン2L |
| E | ビール2L |
たばこはまったく別の扱いです。シンガポール税関は、紙巻きたばことたばこ製品には免税枠もGSTの輸入免除も存在しないと明記しています。持ち込む場合は紙巻きたばこ、葉巻、パイプ用たばこのすべてを申告し、税金を納めます。到着ホールで赤の通路に進んで申告するという流れです。免税店で買ったものであっても例外ではありません。
お酒とたばこ以外の新品の物品には、GSTの免除枠があります。判断の分かれ目は、シンガポール国外にどれだけ滞在していたかです。
| シンガポール国外の滞在時間 | GST免除の上限 | 超えた場合 |
|---|---|---|
| 48時間以上 | S$500まで | 超過分は申告してGSTを納付 |
| 48時間未満 | S$100まで | 超過分は申告してGSTを納付 |
実務としては、到着ホールで通路を選ぶ場面がすべてです。申告するものがなければ緑、あれば赤に進みます。たばこを持っている、免税枠を超える酒がある、GSTの免除枠を超える買い物をした、といった場合は赤に進んで申告し、その場で税金を納めます。申告して納税するのは正規の手続きであって、疑われる行為ではありません。逆に、該当するのに緑を通ってしまうと話がまったく変わります。
買い物をした旅行者が判断に迷いやすいのは、GSTの免除枠のほうです。上限は物品の合計額で見るので、1点あたりの値段ではありません。旅先で複数の店を回った場合は、レシートを1か所にまとめておくと合計を把握しやすくなります。商業用の物品は、金額にかかわらず免除の対象になりません。
10. 絶対に持ち込んではいけないもの
電子タバコは所持しているだけで違法です。ガムも原則として持ち込めません。ここは「知らなかった」が通用しない領域で、罰金の額も日本の感覚とはかけ離れています。
電子タバコは、本体も部品もリキッドも、所持・使用・購入・輸入・販売のすべてが禁止されています。旅行者にも乗り継ぎ客にも同じ規則が適用されます。日本では合法的に売られている製品なので油断しやすいのですが、シンガポールでは荷物に入っている時点で問題になります。出発前の荷造りで確実に取り除いてください。
ガムについても、シンガポールらしい規則として知られています。原則として持ち込みは禁止で、例外はHSAの承認を受けた歯科用・医薬用のガムだけです。旅行中の口寂しさのために鞄に常備している人は、出発前に抜いておいてください。
| 品目 | 扱い | 補足 |
|---|---|---|
| 電子タバコ・部品・リキッド | 全面禁止 | 所持・使用・購入で最高S$10,000の罰金 |
| SPS(指定向精神性物質) | 全面禁止 | 2026年5月1日施行。所持・使用で最高S$20,000または最高10年の禁錮 |
| ガム | 持ち込み禁止 | 例外はHSA承認の歯科用・医薬用のみ |
| シーシャ(水たばこ) | 禁止 | |
| 噛みたばこ・嗅ぎたばこ | 禁止 | 無煙たばこ製品全般 |
| 麻薬類・向精神薬 | 絶対に禁止 | シンガポールの麻薬法は極めて厳格 |
| 絶滅危惧種とその加工品 | 禁止 | 土産物にも注意 |
| 爆竹 | 禁止 | |
| わいせつ物 | 禁止 |
絶滅危惧種の加工品は、旅行者が意図せず抵触しやすい項目です。近隣国で買った工芸品や装飾品が該当することがあるため、素材が分からないものを土産に選ばないのが安全です。この分野の規則も更新されることがあるので、出発前にICAの公式サイトで最新の禁止・規制品目を確認しておいてください。
11. 薬を持って行くとき
規制成分を含まない一般の医薬品なら、およそ3か月分までは事前の承認なしに持ち込めます。規制成分を含む医薬品は、HSAの事前承認が必須で、到着の少なくとも2週間前に申請します。
常用薬がある人にとっては、荷造りより先に確認しておきたい項目です。一般の医薬品であっても、元の包装のまま持ち込むこと、患者名・薬品名・数量が記載された薬局のラベルを残しておくことが求められます。日本でよくあるように、1週間分の携帯ケースに移し替えて包装を捨ててしまうと、何の薬か証明できません。処方箋か医師の所見を一緒に持っていくと確認がスムーズです。
問題は規制成分を含む医薬品です。コデイン、モルヒネ、ジアゼパムを含む睡眠薬、アナボリックステロイドなどが該当します。これらは事前承認がなければ持ち込めず、承認なしに持ち込んだ場合や禁止物質(たとえば大麻抽出物)を所持していた場合は、麻薬法上の輸入犯罪として扱われる可能性があります。処方薬という認識のまま持って行くと、想定外の事態になりかねません。
| 種類 | 持ち込みの可否 | 必要な手続き | 準備物 |
|---|---|---|---|
| 規制成分を含まない一般の医薬品 | およそ3か月分まで可 | 事前承認は不要 | 元の包装、薬局ラベル、処方箋か医師の所見(推奨) |
| 規制成分を含む医薬品 | 事前承認があれば可 | HSAの事前承認が必須。到着の少なくとも2週間前に申請 | 処方箋と薬局ラベルの画像を添付 |
| 禁止物質(大麻抽出物など) | 不可 | 手続きの余地なし |
- 成分を確認する。 常用薬の成分表示を見て、コデイン、モルヒネ、ジアゼパム、アナボリックステロイドなどの規制成分が含まれていないかを確かめます。判断がつかなければ処方元に相談します。
- 必要なら2週間前に申請する。 規制成分を含む場合はHSAの事前承認を申請します。到着の少なくとも2週間前が目安なので、旅程が決まった段階で動き始めます。
- 元の包装のまま荷造りする。 薬局のラベル(患者名・薬品名・数量)が読める状態で残します。詰め替えはしません。
- 書類を一緒に入れる。 処方箋または医師の所見を、薬と同じ場所に入れておきます。
持病がある場合や常用薬を持って行く場合は、旅行中の治療にかかる補償も一緒に考えておきたいところです。下で旅行保険の最新のプランと料金を確認できます。

12. 現金がS$20,000を超えるときの申告
入国時も出国時も、合計でS$20,000を超える現金や無記名の支払手段を持っている場合は申告義務があります。申告はMyICAアプリかICAのウェブサイトから電子的に行い、出入国の72時間前から提出できます。
「現金」という言葉から硬貨と紙幣だけを思い浮かべがちですが、対象はもっと広く、CBNI(現金および無記名の支払手段)と呼ばれます。為替手形、Cash払いの小切手、持参人払いの小切手、約束手形、無記名債券、郵便為替もここに含まれます。外貨の場合はシンガポールドル相当額で判断します。
申告そのものは電子手続きで完結するので、負担は大きくありません。出入国の72時間前、つまり最大3日前から提出できるため、空港で慌てる必要もありません。むしろ怖いのは申告しなかった場合です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基準額 | 合計S$20,000超(外貨は相当額) |
| 対象のタイミング | 入国時と出国時の両方 |
| 対象となるもの | 硬貨・紙幣、為替手形、Cash払いの小切手、持参人払いの小切手、約束手形、無記名債券、郵便為替 |
| 申告方法 | MyICAアプリまたはICAのウェブサイトから電子提出 |
| 申告できる時期 | 出入国の72時間前(最大3日前)から |
| 未申告・虚偽申告 | 最高S$50,000の罰金または最高3年の禁錮、あるいはその両方 |
| 現金の扱い | 押収・没収される可能性がある |
罰則の根拠は、腐敗・麻薬取引およびその他の重大犯罪(利益没収)法1992です。未申告や虚偽申告には最高S$50,000の罰金または最高3年の禁錮、あるいはその両方が科され、該当する現金そのものが押収・没収されることもあります。数分で終わる電子申告を怠った結果としては重すぎる代償です。
- 合計額を計算する。 同行者と分けて持っている場合も含め、自分が携帯する額を把握します。外貨はシンガポールドル換算で見ます。
- 72時間前から提出する。 MyICAアプリかICAのウェブサイトで電子申告します。出発の3日前から可能です。
- 控えを保存する。 提出後の控えを、出国時にも使えるよう保存しておきます。
13. 黄熱病の予防接種証明書が必要になる人
到着直前の6日以内に黄熱病の危険国に滞在していた旅行者は、入国時に有効な黄熱病予防接種証明書を提示する必要があります。シンガポール居住者も対象です。
日本から直行便で向かう旅行者には基本的に関係のない項目ですが、他国を経由してくる場合や、アフリカや南米を回ってからシンガポールに入る旅程では確認が必要になります。特に見落としやすいのが乗り継ぎの扱いです。危険国の空港で12時間を超えて乗り継いだ場合も、滞在したのと同じ扱いになります。
証明書は接種の10日後から有効になり、その後は生涯有効です。旅程が決まってから慌てて接種しても、10日の待ち時間があるため入国日に間に合わないことがあります。該当しそうな旅程を組む段階で逆算しておいてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる人 | 到着直前6日以内に黄熱病の危険国に滞在した全旅行者(シンガポール居住者を含む) |
| 乗り継ぎの扱い | 危険国の空港で12時間を超えて乗り継いだ場合も同じ扱い |
| 証明書の有効期間 | 接種の10日後から有効。以後は生涯有効 |
| 提示できない場合 | 6日間の隔離。隔離を拒否した非居住者は入国を断られる |
| 危険国の一覧 | ICAの公式ページが基準 |
証明書を提示できない場合は6日間の隔離となり、隔離を拒否した非居住者は入国を断られます。危険国の一覧はICAの公式ページが基準になるため、複数の国を回る旅程を組むときは、出発前に自分の経由地が該当するかを公式サイトで確認してください。旅程の途中で経由地が変わった場合も、そのたびに見直しが必要です。
準備の順番としては、まず旅程の全区間を書き出し、シンガポール到着から6日をさかのぼった範囲に入る国と空港を洗い出します。次に、その中に危険国が含まれていないかをICAの一覧で照合します。含まれていれば、入国日の10日以上前に接種を終える必要があるので、接種を受けられる医療機関の予約から逆算します。一度接種すれば証明書は生涯有効なので、その後同じ地域を旅行する際に再度受ける必要はありません。
乗り継ぎの12時間という基準も具体的に確認してください。危険国の空港で乗り継ぎ、待ち時間が12時間を超えた場合は、その国に滞在したのと同じ扱いになります。空港から一歩も出ていないとしても同じです。乗り継ぎ時間が11時間台の便を予定していて、遅延で12時間を超えるような旅程は、証明書を持っていない状態では避けたほうが安全です。
14. 陸路と海路で入るときの違い
陸路はウッドランズとトゥアスの2か所、海路はフェリーターミナルです。外国人訪問者はいずれの経路でもSGアライバルカードの提出対象で、マレーシアから入る場合はお酒の免税枠そのものがなくなります。
陸路の検問所は、マレーシアのジョホールバル方面と結ぶウッドランズ(Woodlands)とトゥアス(Tuas)の2か所です。海路はバタム島やビンタン島などインドネシア方面と結ぶフェリーターミナルが窓口になります。空路と違うのは、混雑の読みにくさと、免税の扱いです。
SGアライバルカードの免除は、陸路の検問所から入るシンガポール国民・永住権保持者・長期ビザ保持者だけに適用されます。日本からの旅行者はここに含まれないので、空港から入る場合と同じく提出が必要です。マレーシアやインドネシアからの日帰りで戻ってくる場合も、その都度の入国として扱われます。
| 経路 | 主な地点 | SGアライバルカード | お酒の免税 |
|---|---|---|---|
| 空路 | チャンギ空港の4ターミナル | 提出が必要 | 条件を満たせば1組合せ |
| 陸路 | ウッドランズ、トゥアス(ジョホールバル方面) | 提出が必要(国民・永住権・長期ビザ保持者は免除) | マレーシアから入る場合は免税なし |
| 海路 | フェリーターミナル(バタム・ビンタンなど) | 提出が必要 | 条件を満たせば1組合せ |
お酒の免税条件のうち、マレーシアから入国する場合は対象外という一文は陸路で効いてきます。48時間以上シンガポール国外にいたという条件も満たしにくいので、ジョホールバルへの短い旅行から戻るときに免税の枠を当てにしないでください。国境を越える日帰り旅行の組み立てはジョホールバル日帰りガイドに、島へのフェリー旅はバタム・ビンタンのフェリーガイドにまとめています。
陸路と海路のもう1つの違いは、時間の読みにくさです。週末や連休の陸路検問所は特に混みやすく、所要時間が大きく変わります。戻りの便に接続する予定がある日は、余裕を厚めに取っておくのが無難です。

15. 入国せずに乗り継ぐだけの場合
入国審査を受けずに乗り継ぎエリアの中だけで過ごすなら、SGアライバルカードの提出は不要です。判断の基準は滞在時間の長さではなく、入国審査を通過するかどうかです。
ここを取り違えると、必要な手続きを飛ばしてしまうか、不要な手続きに時間を使うかのどちらかになります。乗り継ぎ時間が長いから提出が必要、短いから不要、という理解は正しくありません。10時間の乗り継ぎでもエリアの中に留まるなら対象外で、逆に3時間しかなくても市内に出るなら提出が必要です。
もう1つ知っておきたいのが、無ビザ乗り継ぎ便宜(Visa-Free Transit Facility)という制度です。これは独立国家共同体(CIS)諸国、ジョージア、インド、トルクメニスタン、ウクライナの国民と、一部の中国国民を対象とするもので、日本のパスポートには関係しません。同行者の国籍が該当する場合は、出発前にICAの公式サイトで条件を確認してください。
| 状況 | SGアライバルカード | その他 |
|---|---|---|
| 入国審査を受けず乗り継ぎエリア内だけ | 提出不要 | 電子タバコ禁止はそのまま適用 |
| 入国審査を通過して市内へ出る | 提出が必要 | 滞在が数時間でも同じ |
| 無ビザ乗り継ぎ便宜の対象者 | 条件による | CIS諸国・ジョージア・インド・トルクメニスタン・ウクライナ国民と一部の中国国民 |
乗り継ぎ時間をどう使うかは、入国審査を通過するかどうかで選択肢が分かれます。時間別の過ごし方はシンガポール乗り継ぎガイドに、空港内のラウンジはチャンギ空港ラウンジガイドに、個室で休める施設はトランジットホテル比較にまとめています。
16. 滞在の延長と超過滞在
短期訪問証を持つ人の延長申請は、オンラインのe-Serviceからのみ受け付けられます。窓口での受付はありません。通常は1か月(30日)の追加、または入国日から最大89日の範囲で判断されます。
大切なのは、延長が申請すれば通るものではないという点です。あくまで審査を経た許可であり、自動的に認められるものではありません。したがって、延長が通る前提で航空券を後ろにずらす、という順序で動くとリスクを負うことになります。まず現在のe-Passに書かれた最終滞在日を基準に旅程を組み、延長は認められたら儲けもの、くらいに考えておくのが安全です。
超過滞在の扱いは厳格です。超過した日数に応じて罰金(和解金)または裁判所への起訴となり、最高6か月の禁錮および罰金、そして再入国の禁止措置が科される可能性があります。うっかり1日超えた、という言い訳が通る領域ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請方法 | オンラインのe-Serviceのみ。窓口受付なし |
| 延長の範囲 | 通常1か月(30日)の追加、または入国日から最大89日の範囲 |
| 性質 | 許可事項。自動ではない |
| 超過滞在の処分 | 日数に応じて罰金(和解金)または裁判所への起訴 |
| 最も重い場合 | 最高6か月の禁錮および罰金 |
| その後 | 再入国禁止の措置 |
- 最終滞在日を確認する。 e-Passに記載された滞在可能な最終日を確認します。カレンダーに入れておくと勘違いを防げます。
- 余裕をもって申請する。 延長が必要になりそうな段階で、オンラインのe-Serviceから申請します。期限直前ではなく、結果を待つ時間を見込んでおきます。
- 不許可の場合の代案を用意する。 延長は自動ではありません。認められなかった場合に最終日までに出国できる手段を確保しておきます。
近隣国へいったん出てすぐ戻るという方法で滞在を延ばそうとするのは避けてください。長期滞在後の即時再入国は、不法な滞在延長の試みとして疑われる可能性があります。延長したい理由があるなら、正規の手続きで申請するのが結果的に確実です。
17. 入国直後の最初の30分ですること
優先順位は、通信、e-Passの確認、交通手段、両替の順です。通信さえ確保できれば、あとは移動しながらでも対応できます。
到着直後にやることを詰め込みすぎると、荷物を持ったまま空港内をうろうろすることになります。実際に必要なのは4つだけで、しかも順番が決まっています。まず通信、次にe-Passの確認、それから市内までの移動手段、最後に現金です。両替を最初に持ってくる人が多いのですが、カードが使える場面が多い環境では優先度は高くありません。
e-Passの確認をこの段階に入れているのは、届いていなかったときに空港内で気づけるからです。手荷物を待つ数分で受信を確かめ、許可された滞在日数と最終滞在日を見ておけば、あとの旅程を安心して組めます。
- 通信をつなぐ。 事前に用意したeSIMを有効化するか、現地のSIMを手配します。地図と配車アプリが使えるかどうかで、このあとの動きやすさが変わります。
- e-Passを確認する。 メールを開き、許可された滞在日数と最終滞在日を見ます。届いていなければ、この場でメールアドレスの入力ミスを確認します。
- 交通手段を決める。 MRT、タクシー、配車、事前手配の送迎から選びます。交通系のカードを使うか、非接触決済で乗るかもここで決めておきます。
- 必要な分だけ両替する。 カードが使える場面が多いので、屋台や小さな店で使う分を目安にします。全額を空港で替える必要はありません。
- 宿泊先へ移動する。 住所はSGアライバルカードに入力したものと同じか確認してから向かいます。
| 優先順位 | やること | 後回しにするとどうなるか |
|---|---|---|
| 1 | 通信の確保 | 地図も配車アプリも使えず移動の判断ができない |
| 2 | e-Passの確認 | 滞在可能な最終日が分からないまま旅程が進む |
| 3 | 市内までの移動手段 | 深夜着だと公共交通の選択肢が消える |
| 4 | 両替 | 現金が要る場面で足りなくなる |
現金をどのくらい用意するかは、旅の予算の立て方とセットで考えると決めやすくなります。費目ごとの目安はシンガポール旅行の予算ガイドにまとめています。到着日の動きが読めていれば、空港での判断はほとんど自動的に済みます。
到着した瞬間から通信を使いたい場合は、出発前にeSIMを用意しておくのが手軽です。シンガポールのeSIMガイドで選び方を整理しています。下で最新の料金とプランを確認できます。
18. 出発前の最終チェックリストと、次に読む記事
出発前に確認するのは7項目です。パスポートの残存、SGアライバルカードの確認メール、出国用の航空券、宿泊先の住所、滞在費、持ち込み禁止品の除去、そしてICA公式サイトでの最新確認。ここまで済んでいれば、空港でやることは残っていません。
この記事の内容を1枚にまとめると下の表になります。印刷するか、スクリーンショットにして出発前日に見返してください。特に電子タバコとガムは、普段の鞄に入ったままになりやすいので、荷造りの最後にもう一度確認する価値があります。
| チェック項目 | 確認すること | 済 |
|---|---|---|
| パスポート | 残存有効期間が6か月以上あるか | □ |
| SGアライバルカード | 到着日を含む3日以内に提出し、確認メールが届いたか。同行者全員分か | □ |
| 出国用の航空券 | 出国または第三国行きの予約確認書を出せるか | □ |
| 宿泊先 | 名称と住所。SGアライバルカードの入力と一致しているか | □ |
| 滞在費 | 現金またはクレジットカードを提示できるか | □ |
| 持ち込み禁止品 | 電子タバコ、ガム、シーシャなどを鞄から取り除いたか | □ |
| 薬 | 規制成分を含むなら2週間前にHSAへ申請したか。元の包装のままか | □ |
| 現金の申告 | 合計S$20,000を超えるなら72時間前から電子申告したか | □ |
| 最新情報 | ICAの公式サイトで規則が変わっていないか確認したか | □ |
最後の項目をチェックリストに入れているのには理由があります。入国管理や税関の規則は更新されます。ビザが必要な国の一覧、禁止品目、SPSに関する規定のように施行日が定められているものもあり、この記事の内容も時間が経てば古くなります。出発前にICAの公式サイトを一度開いて、自分に関係する項目が変わっていないかを確かめる習慣をつけてください。
入国の準備が終わったら、次は旅そのものの組み立てです。何日でどこを回るかはシンガポールのモデルコース、いつ行くかはベストシーズンガイド、全体像はシンガポール旅行完全ガイドで確認できます。