シンガポールのeSIM・SIM:料金プラン比較と選び方
シンガポールは通信会社で悩む必要がない珍しい国です。全土が5Gスタンドアローンなので、どこを選んでも電波は問題ありません。差がつくのは有効期間と、通話が付くかどうかと、周辺国のデータがどれだけ付いてくるかの三つです。
| いちばん無難 | Yesimの5GBが30日で$11.52。旅行者の実使用量に合います。 |
|---|---|
| 動画・テザリング | Airaloの無制限。7日$27、30日$69で容量制はありません。 |
| マレーシアやバリを足すなら | 物理SIM。周辺国データと現地番号が付きます。 |
| 登録義務 | 物理でもeSIMでも必ずパスポート登録が要り、1冊につき3枚までです。 |
| 通信会社 | 全土5Gスタンドアローンなので、どこでもカバレッジは同じです。 |
| 無料Wi-Fi | Wireless@SGは訪日客ならぬ訪星客でも携帯番号でログインできます。 |
1. ここでは通信会社を選ぶ必要がありません
2. まず端末がeSIMに対応しているか
3. 現地番号が要るかどうかで分かれます
4. シンガポールのSIMには周辺国のデータが付いてきます
5. eSIMはどこで何をいくらで買うか
6. ほかの通信会社
7. チャンギ空港のどこで買うか
8. パスポート登録は必須で、30日で止まります
9. データはどれくらい要るか
10. Wireless@SGはよくできています
11. 設定と開通
12. どの旅行に何が合うか
13. 出発前に確認すること
14. あわせて読みたいシンガポールのガイド

1. ここでは通信会社を選ぶ必要がありません
シンガポールは世界で最初に全土が5Gスタンドアローンで覆われた国です。Singtelが2022年に全国カバレッジ95%超を発表し、その後島全体で構築が完了しました。2026年は各社が利用者を旧方式からスタンドアローンへ移している段階です。
そのため、他の国のSIM記事で半分を占める問いがここでは消えます。地方で切れる心配も、都市を出ると弱くなる会社も、山間部のカバレッジを確認する手間もありません。島は東西50kmほどで、4社すべてが覆っています。
決め手はプランそのものに移ります。違うのは次の三つです。
| 違うところ | なぜ効くか |
|---|---|
| 有効期間 | パスポート登録なら上限30日。eSIMは14日のものが多いです |
| 通話と現地番号 | 物理のツーリストSIMには付き、データ専用eSIMには付きません |
| 周辺国のデータ | シンガポールのSIMには東南アジア・アジア太平洋の枠が付いてきます |
シンガポール eSIM 料金計算ツール
滞在日数と使うデータ量を入れると、その旅行で各社が実際にいくら請求するかが出ます。1日あたりの料金と、使わないのに買うことになる日数も一緒に出ます。
表の並びは業者ごとに固定です。おすすめ順ではありません。
各社で料金の軸が違います。Airalo は決まった日数の階段と容量の組み合わせ。Yesim は無制限を1日単位で売るので、12日の旅行なら15日券ではなく12日分。Saily は有効期間が決まった容量パックを数種類そろえています。
- Airalo · 接続網: Singtel 5G · M1 LTE
- Airalo · 無制限プランの速度制限: 無制限は1日 3 GB までです。それを超えるとその日の速度が 1 Mbps に落ち、翌日に戻ります。
- Yesim ·
- ここに並ぶ選択肢はすべてデータ専用です。現地の電話番号は付きません。通話・配達・SMS 認証に番号が要るなら、この種の eSIM は答えになりません。
全プランと料金をまとめて見るなら eSIM 料金計算ツールの全料金表
2. まず端末がeSIMに対応しているか
買う前に二つ確認します。端末がeSIMに対応していること、そしてSIMロックが解除されていることです。
| 機種 | eSIM対応 |
|---|---|
| iPhone | XS・XR・SE(2020)以降 |
| Galaxy | S20以降、Note 20、Z Fold・Flip、一部のAシリーズ(A54・A55) |
| Pixel | 3以降 |
いちばん早い確認方法は *#06# を発信することです。EIDが表示されればeSIM対応機です。設定に「eSIMを追加」があるかどうかでも分かります。
3. 現地番号が要るかどうかで分かれます
ここが日本の読者にいちばん効く分かれ目です。ツーリスト向けのeSIMはデータ専用で、現地の電話番号が付きません。ホテルやレストランから電話がかかってきても受けられないということです。
実際に困る場面は決まっています。予約したレストランからの確認電話、クリニックの受付、Grabのドライバーからの連絡です。最後のものはアプリ内通話で足りることが多いのですが、前の二つは電話番号を求められます。
| データ専用eSIM | 物理ツーリストSIM | |
|---|---|---|
| 現地番号 | なし | あり |
| 現地通話・SMS | なし | 無制限 |
| 受け取り | 出発前に自宅で設定 | チャンギの窓口 |
| 有効期間(同じS$12で) | 14日 | 30日 |
短い都市滞在で、予約はすべてアプリで完結するという方はeSIMで十分です。電話がかかってくる予定が一つでもあるなら物理SIMにしておくほうが安全です。

4. シンガポールのSIMには周辺国のデータが付いてきます
比較記事がだいたい落とす項目ですが、ジョホールバルやクアラルンプールを足す方には決定的です。シンガポールのツーリストSIMはシンガポール専用ではありません。StarHubが公開しているプランをそのまま書き出すとこうなります。
| プラン | 料金 | データ | 有効 | ローミング |
|---|---|---|---|---|
| 4G Tourist | S$12 | 合計500GB:現地300、東南アジア200、アジア太平洋15 | 30日 | 9か国 |
| 5G Tourist Core | S$15 | 合計500GB:現地300、東南アジア200、アジア太平洋30 | 30日 | 20か国 |
| 5G Tourist Plus | S$30 | 合計700GB:現地400、東南アジア300、アジア太平洋90 | 30日 | 20か国 |
三つとも現地通話・SMSが無制限で、ローミング通話100分が付きます。ジョホールバルの日帰り、クアラルンプールで2〜3泊、バリを足す行程に当てると、一度買うか二度買うかが変わります。
5. eSIMはどこで何をいくらで買うか
実際に選ぶのはここです。ブランドごとに料金の組み立てが違い、その差が金額を倍にします。各社がシンガポール向けに公開している料金をそのまま並べます。
| ブランド | 料金の型 | シンガポールの料金 | 知っておくこと |
|---|---|---|---|
| Yesim | 容量制(すべて30日) | 1GB $3.00・5GB $11.52 10GB $19.20・20GB $26.40・30GB $33.60 | 5G。旅行者の実使用量にいちばん合います |
| Saily | 容量制 | 1GB/7日 $3.99 20GB/30日 $22.99 | NordVPN内蔵。「無制限」は1日5GB超で速度制限 |
| Airalo | 無制限のみ | 3日 $11.50・5日 $18.50・7日 $27.00 10日 $34.50・15日 $48・30日 $69 | Singtel系(ほか1社)。容量制の商品がありません |
| Klook・KKday | 現地通信会社の商品を再販 | 商品により異なる | eSIMと、現地番号が付く物理SIMの両方を扱います |
前の使用量の表と突き合わせると答えが出ます。地図・メッセージ・Grab中心で1週間2GB以内なら、Yesimの5GBが30日で$11.52。同じ金額でAiraloは無制限3日分です。滞在が本当に3日でないかぎり容量制が有利です。
6. ほかの通信会社
シンガポールの通信会社は4社です。Singtel・StarHub・M1はチャンギで販売し、Simbaは市内のみです。価格帯が近いので、料金だけでは決まりません。
決め手は前に見た三つ、有効期間と通話の有無と周辺国データです。そのうち周辺国の枠をプランごとに公開しているのがStarHubで、上の表はその公開値です。ほかの会社にもローミング付きのプランはありますが、条件は店頭かアプリで確認する必要があります。
Simbaはデータ単価がいちばん低い会社です。ただし空港では売っていません。到着当日はデータなしで空港を出て市内で探すことになるので、初めての訪問には勧めにくく、再訪なら合理的な選択です。

7. チャンギ空港のどこで買うか
Singtel・StarHub・M1のいずれもチャンギで販売しています。窓口は第1・2・3・4ターミナルの到着ロビーです。StarHubはProsegurとStarHub Changi Recommendsの窓口が扱っています。オンラインで先に注文して空港で受け取ることもでき、同じ便の乗客の列に並ばずに済みます。
入国に使ったパスポートを持っていってください。登録は窓口で数分です。
| 方法 | どうなるか |
|---|---|
| 出発前にeSIM | 自宅で設定、着いた瞬間から使えます。窓口に行く必要がありません |
| 物理SIMを事前注文 | チャンギの窓口で受取。窓口の営業時間には縛られます |
| 物理SIMを現地で購入 | プランの選択肢は一番広いですが、長時間のフライトのあとに並びます |
| Simbaを市内で | 最安ですが、データなしで空港を出ることになります |
8. パスポート登録は必須で、30日で止まります
シンガポールではプリペイドSIMの実名登録が義務です。物理でもeSIMでも例外がありません。定めているのはIMDAです。そのため会社を変えても扱いは同じです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録義務 | すべてのプリペイドSIM。物理・eSIMを問いません |
| 必要書類 | 旅行者はパスポート |
| 1人あたり上限 | 3枚。全社合計で数えます |
| パスポート登録時の有効期間 | 30日。以降は停止、返金なし |
1週間の旅行なら当たりません。効いてくるのは1か月を超える滞在、いったん出国して戻ってから同じSIMを使おうとする場合、前回の訪問で使った番号にチャージして使おうとする場合です。いずれも新しく買い直すほうが早く済みます。
9. データはどれくらい要るか
シンガポールのプランはどれも数百GB単位で売られています。表示容量は判断材料になりません。旅行者が1週間で実際に使う量はこれくらいです。
| 何をするか | 1日あたり | 1週間なら |
|---|---|---|
| 地図とナビ | 50〜150MB | 0.5〜1GB |
| メッセージと写真の送受信 | 50〜100MB | 0.5GB前後 |
| Grabやデリバリーのアプリ | 30〜80MB | 0.3〜0.5GB |
| 検索と予約 | 50〜100MB | 0.5GB前後 |
| SNSと動画 | 500MB〜2GB | 4〜14GB |
動画を除けば1週間で2GBに収まります。容量ではなく、有効期間・通話・周辺国データで選んでください。実際に差があるのはその三つだけです。

10. Wireless@SGはよくできています
公共Wi-Fiはスマートネーション事業の一部で、カフェ・ホーカーセンター・ショッピングモール・図書館・空港・観光地を覆っています。外国からの訪問者も使えます。対応端末でなくても、ブラウザから携帯番号でログインできます。
他の都市の無料Wi-Fiよりはっきり良質です。それでもSIMの代わりにはなりません。理由はどこでも同じで、座っているときには使えて、データが要る場面はたいてい移動中だからです。MRTのどの出口から出るか調べるとき、あの屋台が開いているか確かめるとき、雨の中でGrabを呼ぶときがそれです。
重いものを任せる用途と考えてください。写真のアップロード、動画、アプリのダウンロードはWi-Fiで済ませ、データは少なめに買うと全体の費用が下がります。
11. 設定と開通
eSIMのプロファイルをダウンロードするには通信が要ります。到着してから設定しようとして詰まる例があるので、出発前に自宅のWi-Fiで入れておいてください。
iOSは、設定からモバイル通信に入り「eSIMを追加」でQRを読み取ります。名前を付けてモバイルデータ通信の回線に指定し、その回線のデータローミングをオンにします。ここで有効にするローミングは日本のキャリアの国際ローミングではなく、現地回線を使うという設定なので料金は発生しません。最後に日本の回線のデータをオフにします。
Androidは、設定からネットワークまたは接続に入り、SIMの項目でeSIMを追加し、優先データSIMに指定してその回線のローミングをオンにします。
日本の番号は通話とSMSを受けられる状態のまま、データだけオフにしておきます。銀行の認証コードがSMSで届くためです。
12. どの旅行に何が合うか
ここまでの条件を旅行の形ごとにまとめるとこうなります。
| こういう旅行 | 買うもの | 理由 |
|---|---|---|
| 3〜5日、シンガポールのみ | データ専用eSIM、またはKlookのシンガポールeSIM | 窓口に行かずに済み、着いた瞬間から使えます |
| ジョホールバル・KL・バリを足す | 物理ツーリストSIM S$12から | 周辺国のデータ込みなので、一度の購入で全行程が片付きます |
| 現地番号で電話を受けたい | 物理ツーリストSIM | 現地通話・SMSが無制限。データ専用eSIMに番号はありません |
| 2週間以上の滞在 | 物理SIMの28〜30日プラン | 入門クラスのeSIMは14日で、パスポート登録の上限もどのみち30日です |
| マレーシアのほうが長い行程 | マレーシアのeSIMを別に | ローミング枠に頼るより安く済みます |
| 中国本土で買ったiPhone | 物理SIM | eSIM機能そのものがありません |
| 30日を超える滞在 | 2枚目を買う前提で | パスポート登録のSIMは30日で停止し、旅行者は延長できません |

13. 出発前に確認すること
空港でもたつく原因は、だいたい次の六つのどれかを飛ばしたことです。
| いつ | 何を |
|---|---|
| 買う前 | *#06# でEIDが出るか確認。出なければeSIM非対応機です |
| 買う前 | SIMロックが解除されているか確認 |
| 買う前 | 現地番号が要るか決める。要るなら物理SIMへ |
| 前日 | 自宅のWi-FiでeSIMをインストール。開通はしないこと |
| 前日 | SIMを登録するパスポートを準備 |
| 搭乗前 | 日本の回線はデータだけオフ、通話とSMSは残す |
到着後にすることは一つだけです。機内モードを解除し、シンガポールの回線をデータ通信の回線に指定して、その回線のローミングをオンにします。
14. あわせて読みたいシンガポールのガイド
通信が片付いたら、残るのは移動と宿と食事です。
| 何を決めるとき | ガイド |
|---|---|
| 行程全体 | シンガポール旅行ガイド・いつ行くか・旅費 |
| 到着と移動 | チャンギ空港・MRTとEZ-Link |
| 宿 | エリア別の宿・街ごとの特徴 |
| 遊ぶ | セントーサ・南部の島・ホーカーセンター |